②目次
- 南紀熊野の旅、はじまり
- 古座川の一枚岩|川沿いに立つ自然の神秘
- 滝の拝・牡丹岩・河内島・髙池の虫食い岩|知る人ぞ知る南紀の奇岩めぐり
- 大門坂から熊野古道を歩く|苔むす石畳の先へ
- 熊野那智大社・青岸渡寺|神仏が共存する聖地
- 飛瀧神社・那智の滝|日本一の落差に言葉を失う
- 道の駅なちで旅をしめくくる
- 南紀熊野の宿・観光を探す
- 前回・次回の旅
③本文
南紀熊野の旅、はじまり
37日間かけて日本を縦断する旅も、いよいよ10日目を迎えました。
この日のスタートは早め。車のエンジンをかけながら、妻がにこっと笑って言いました。
「今日は盛りだくさんやね。ちゃんと全部まわれるかな?」
地図を広げると、古座川の一枚岩から始まり、南紀の奇岩をいくつかめぐって、最後は熊野那智大社と那智の滝というルート。どれも一度は訪れたかったスポットばかりです。佐賀を出発してからもう10日。体もだいぶ旅モードになっていました。
古座川の一枚岩|川沿いに立つ自然の神秘 最初の目的地は**古座川の一枚岩**。古座川の清流を左手に見ながら河辺を歩くと、ふいにそれは現れました。 高さ約100メートル、幅約500メートルという途方もないスケールの一枚岩が、川のすぐそばに屹立しているのです。地質学的には「流紋岩質溶結凝灰岩」という火山由来の岩で、およそ1400万年前に形成されたとか。でも、そんな説明よりも目の前の圧倒感のほうが先に来ました。 「これ、ほんとに一枚なん?継ぎ目がないやん……」 妻が岩肌に手を伸ばしながら呟きました。水面に映る岩の姿、川の流れのせせらぎ、背後に広がる緑の山並み。そのすべてが一枚の絵になっていて、しばらくその場を離れられませんでした。


滝の拝・牡丹岩・河内島・髙池の虫食い岩|知る人ぞ知る南紀の奇岩めぐり 古座川を後にして、南紀の「奇岩ゾーン」へ向かいました。どれも有名観光地ほど混んでおらず、むしろそれが良かったです。
滝の拝 古座川支流の小川に突然現れる、川床の奇観が滝の拝です。岩盤に無数の丸い穴が空いており、そこへ水が流れ込んでいく様子はまるで別の惑星のようでした。甌穴(おうけつ)と呼ばれる自然現象で、石が長年川の流れで削り込まれてできたものだそうです。 「これ、天然のジャグジーみたいやない?」と私が言うと、妻に「入ったらあかん」と笑顔で釘を刺されました。

牡丹岩・河内島・髙池の虫食い岩 続いて牡丹岩へ。岩の表面に牡丹の花のような模様が浮き出ているという、なんとも詩的な名前の岩です。近づいて見ると、たしかに丸みを帯びた模様が岩肌に散りばめられていて、自然がつくったアートだと感じました。

河内島は小さな島ですが、南紀らしい青い海との対比が美しく、看板の前で記念写真を撮りました。

そして髙池の虫食い岩。これは岩の表面が文字通り虫に食われたように無数の穴と凹凸で覆われた岩壁で、見ていると不思議と「どうしてこうなるの?」という気持ちが止まらなくなります。近くには地元の方が営む小さなお店もあり、地域の温かさも感じました。

大門坂から熊野古道を歩く|苔むす石畳の先へ 午後からはいよいよ熊野古道のメインどころへ。まずは大門坂の入口に到着しました。 駐車場に車を止め、杉木立の中に伸びる石畳の坂道に足を踏み入れた瞬間、空気がまるで変わりました。樹齢数百年の杉の巨木が両脇に立ち並び、苔むした石畳がゆるやかに続いています。人の声もなく、聞こえるのは鳥の鳴き声と自分たちの足音だけ。 「これが熊野古道か……ほんとに来られてよかった」 妻の声が少しだけ、震えているように聞こえました。私も同じ気持ちでした。退職して時間ができたからこそ、こうして歩けるのだと思うと、じわっと胸があたたかくなりました。

熊野古道を歩きながら、那智大社へと向かいます。石段が続き息は上がりましたが、不思議と足が前へ進みました。この道を昔の人たちも同じように歩いたのだと思うと、時間を超えたつながりを感じました。
熊野那智大社・青岸渡寺|神仏が共存する聖地 石段を登り切ると、朱塗りの社殿が現れました。熊野那智大社です。 全国に3000社以上あるという熊野神社の総本社のひとつ。主祭神は夫須美大神(ふすみのおおかみ)で、縁結びや生命の根源をつかさどるとされています。参拝しながら手を合わせ、旅の安全と家族の健康をお祈りしました。 「毎回こういうところに来ると、なんか背筋が伸びるね」と妻。 「そうやな。ありがたいと思うね、ほんとに」と私。 静かなやりとりでしたが、ふたりで旅を続けてきたことへの感謝が、自然と言葉になった瞬間でした。

那智大社に隣接する青岸渡寺は、西国三十三所観音霊場の第一番札所。神社と寺が並び立つ姿は、まさに神仏習合の歴史を体現しています。そして青岸渡寺の三重の塔越しに那智の滝が見える景色は、何度写真で見ても、実際に目の当たりにするとスケールの違いに息を呑みました。


飛瀧神社・那智の滝|日本一の落差に言葉を失う 青岸渡寺からさらに下り、飛瀧神社(ひろうじんじゃ)へ。那智の滝そのものをご神体として祀る神社です。 参道を進むと、轟音とともに滝が全貌を現しました。落差133メートル、日本一を誇る**那智の滝**。滝壺まで行くと、全身にしぶきを感じるほどの迫力で、見上げると崖の上から真っ白な水の柱が一直線に落ちてきます。 「すごい……すごすぎて、なんも言われへん」 妻がそう言って、しばらく黙ったまま滝を見上げていました。私もただただ、その音と光景の中に立ち尽くしていました。延命長寿の霊水として知られる滝の水に手を浸し、ふたり揃ってまだまだ元気でいようと心に誓いました。


道の駅なちで旅をしめくくる 感動と疲労をまるごと引き受けて、最後に向かったのが道の駅なち。那智勝浦の特産品が並ぶここで、今日の旅の余韻に浸りながらゆっくり休みました。 マグロ関連のお土産やお菓子、熊野の縁起物など見どころが多く、妻は「これ買って帰ろう」と両手に商品を持っていました。今日だけで何十キロ移動して、何箇所まわったのか……それでもまだ旅は続きます。 「明日はどこ行くん?」 「お楽しみ!」 そんな軽口を叩きながら車に乗り込み、今日という1日を終えました。
④宿泊・観光の参考リンク
南紀熊野エリアの宿泊・観光スポット探しはこちらからどうぞ。
🌸 楽天トラベルで南紀熊野の宿・観光を探す
→ https://travel.rakuten.co.jp/dsearch/?f_keyword=南紀熊野
🌸 じゃらんで南紀熊野の宿・観光を探す
→ https://www.jalan.net/kankou/search/?kwd=南紀熊野
🌸 るるぶで南紀熊野の宿・観光を探す
→ https://rurubu.jp/search?keyword=南紀熊野
⑤前回・次回記事
📍 前回の旅はこちら → Day9では紀伊半島の海岸線をドライブしながら潮岬・串本エリアをめぐりました。太平洋の大海原と橋杭岩の絶景をぜひご覧ください。
📍 次回はいよいよ旅も折り返しへ!→ Day11では熊野速玉大社・鬼ヶ城・獅子岩など、熊野の神域とダイナミックな海岸地形をめぐります。どうぞお楽しみに!
⑥YouTube動画紹
🎥 この旅のYouTube動画はこちら!
今回のDay10の全行程は、YouTubeチャンネル「ふたり旅 / futari-tabi」にて映像でもお楽しみいただけます。
古座川の一枚岩のたたずまい、滝の拝の不思議な川床、苔むす大門坂の石畳、そして那智の滝の轟音と迫力――文字では伝えきれない空気感と音を、ぜひ動画でご体感ください。夫婦ふたりのナレーションとともに、南紀熊野の1日を追体験していただけます。
▶️ チャンネル登録・高評価もぜひよろしくお願いします!佐賀から出発した37日間の旅は、まだまだ続きます。
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